触文化

こんにちは。茂原産業 代表の雪田です。

茂原産業は毎週火曜に全体での朝礼と、私たちがいつも使っている環境や設備を維持する『整理・整頓・清掃』の3S活動をしています。

朝礼は全員参加です。週に1度、全員が集まる貴重な機会です。

朝礼では、代表である私がその時に感じていることを、心に残りやすい一言にして社員に話しています。

先日ラジオで聴いたお話が印象的だったので、本日はそのお話を紹介したいと思います。


ある博物館で働いている准教授の方がされていたお話なのですが、実はこの方は幼少期に目の病気で失明されています。
本来、博物館・美術館は「見学」という言葉の通り、見て学ぶ施設ですが、視覚障害のために見ることができません。
ですが、この方はそのハンデを活用し、健常者も障がい者も一緒に学び、楽しめる展示を目指し、
「触文化」を広めて、触る事を主体とした企画・展示に取り組んでいらっしゃいます。

収蔵品を触って確かめると、音や触った形や大きさ、重さ、質感を感じられ、
目で見るだけでは分からない鉄の冷たさ、木の温かさが伝わってきます。
思ったよりも意外に重い、軽いといった間隔で中の構造も分かる。
このように、見て理解した気になっていても、触る事で初めて分かる事が沢山あるそうです。
ある展示物などは触って鑑賞してるだけのだけれど、制作を追体験している気持ちになった、
作っている人のエネルギー、想い、内面までも感じられました。
そういったお話をされていて、とても感銘を受けました。

振り返って、茂原産業の社員は幸い、みんな五体満足でいますが、それを大いに活用する事ができるのではと思いました。
例えば解体作業も、作業中は当然、目で見て判断して作業を行うのですが、それだけではなく、
目を瞑って触ってみると、見ているだけでは分かりづらい状態を察知する事ができるなど、
面白い効果が得られるのではないかと、そう思いました。

さらに振り返ると、そもそも作業の経験のみで決めつけてしまい、見る事さえも疎かにして作業をしてしまっていないでしょうか?
各製品には製造した人達の様々な意匠・思いが組込まれており、先ずはそこを知ることが大切です。
どういう構造になっているのか? どういう材質を使っているのか?
何故、その材質を使ったのか? しなくてはいけなかったのか?等、
設計、製造した人達の思いを知ることで、解体や検証など、各作業においても突破口が
見えてくるのではないかということを、『触文化』から私は感じました。
是非、取り組んでみましょう。